未来を予測!

考えるほど不思議な確率の話

(1)体感のおススメ

「本日の降水確率は10%」それなのに、雨にざーざー降られ、「10%だなんて、うそだ!」と思ったことありませんか。中学・高校の教科書では、確率といえば計算に重点が置かれているので、答を出す”しごき”を受けながら、「こんな事して何になるの?」「つまんない」と思われた方もいらっしゃることでしょう。 計算より 体感(実験)を! おススメしています。体感(実験)には驚きや発見があり、楽しいですヨ!

このサイコロ、壊れてる・・・!

どういうわけか、子ども達はサイコロが好きです。「誰かサイコロ貸してくれない?」と言うと、ペンケースやポケットの中からポロっとサイコロが現れます。だから、「1の目が出る確率は1/6である」そんなことぐらい、子ども達は百も承知です。でも、ちょっぴり誤解もしています。「6回投げたら1回ずつ目がでる・・」と思い込んでいる。そのおかげで授業が楽しく盛り上がります。

○子ども達の目の前に1個のサイコロを取り出します。

「1の目の出る確率が1/6ということは知ってるよね。それなら、このサイコロを今から、6回だけ投げてみますよ。1の目は何回出るでしょうね?」

(は−い。1回出ると思います。)

(あたりまえだよ、どの目も1回ずつ出るから1/6というんだよ)

「では、実際に投げて見せるから、正確に数えてくださいよ」

こうして、取り出したサイコロを子ども達の目の前で、6回だけ投げます。

すると……。

お願い:この先を読む前に、サイコロを用意してご自分で6回だけ投げてみてください。

また、手元にサイコロの無い方は、下の「サイコロ」ボタンで、VBScriptによる模擬サイコロが使えます。

(えー? なぜ? どうして? このサイコロ変だ!)

1回ずつ出るどころか、ずいぶん偏った出方になるものです(確率の本質)。6回程度の少ない回数では、「偶然こうなっちゃった!」ということが起こります。でも、子ども達は、自分でやってみるまで信じてくれません。

(先生!そのサイコロ、私に投げさせて)

「そう言うだろうと思って、サイコロを全員分40個、用意してきたよ。」

(うわー、ヒマな先生だ)

こうして、一人ひとり自分の手でトライします。

「さあ、そろそろ、実験の結果を聞こう。1回ずつ目が出た人は立ってごらん」

(………………)

誰もいません。いてもせいぜい1人です。1回ずつきちんと目が出る事の方が、まれに起こる事なのです。

(先生、それなら、確率1/6というのはうそなの?)

「うそではない。1の目が出る確率は確かに1/6なんだよ。でも、最初に1の目が出たとして、それをサイコロが記憶しているはずがないから、2回目以後にまた1の目が出ることだってある。たった6回しか投げなかったら、どの目かに偶然、かたよるものなんだ。それが自然の摂理というか、自然の神秘というか……」

(ふーん)

(それなら、投げる回数が増えたらかたよらないってこと?)

「そう思うかい? 論より証拠。せっかく手元にサイコロがあるから、回数を増やして実験してみよう」

(何十回か投げたらいいと思う!)

そこで、30回投げをトライすることになります。6回では偏るにしても30回も投げれば、まあまあ均一の出方になりそうだというのです。

お願い:ご自分で30回だけ投げてみてください。下の「サイコロ」ボタンで、VBScriptによる模擬サイコロが使えます。

(えー?そんな…かたよりは直らないよう!)

「30回では、まだまだ回数が少ないようだね。」

(思い切って300回しようよ!)

子ども達は、むきになって実験に取り組みます。どの子も意地でも300回やってみようとします。子ども達って自分の手で真理を見つけたいものなんだなあ、とつくづく感心させられます。



300回以上、体感されることをオススメします

上の「サイコロ」ボタンを使うと、300回を約1分で実験できます。



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